こんにちは、紀織りです。
夫からジーンズのポケットの修理の依頼がありました。
見てみると、右前ポケットに3か所、左前ポケットに2か所の計5か所も穴が空いています。
私は服を作るのは好きなのですが、修理はあまり経験がありません。実際にやってみたいけど失敗したらどうしようと踏みとどまってしまう方もいると思います。
この記事では、自分で直した初めてのポケットの修理方法をまとめてみました。
この記事は次のような人におすすめ!
- お金をかけずに自分で直したい
- ポケットの修理をしたことがない
- ポケットの修理に挑戦してみたい
初めてのポケットの修理
初めてポケットの修理をしてみましたが、きちんと穴を塞ぐことができました。
驚いたのは、できあがった後の手触りです。
道着のような「しっかりした感じ」。道着のように厚くなるわけではありませんが、生地が強くなった感覚があります。
仕上がりの満足度は、プロのお直し屋さんやクリーニング店には足元にも及びませんが、自分で直すと愛着がわきます。
実際に自分で直してみたことで、気をつけるべき注意点や、もっとこうすれば良かったなど、気付いた点も見えてきました。
ポケットを修理したことがない方にも分かりやすく、作業もしやすい様にスライドなっています。
好きなタイミングでスライドしてね
動画の音が苦手な方へ
また、動画の音が苦手な方にも安心して見ていただける様に、動画のほとんどはミュートになっています。
スピード感が伝わると良いなと思った動画のみ、音声が出る仕様になっています。
音が出る動画は、このマークでお知らせしています
お手数ですが、音を消したい方は動画を再生する前に、ご自分のご覧になられるデバイスでミュートにして頂きます様お願い致します。
私も動画の音が苦手なんです汗
穴が空いた場所と原因
ジーンズの前ポケットの底と肌に触れる面に穴が空いた
ジーンズを裏返して、ポケットの穴の場所を確認している時の写真です。
赤い丸が穴が空いている箇所です。
【写真1】左前ポケットには肌に直接当たらないところに2か所の穴があります。こちらは底に空いており、どちらも直径約5ミリの小さい穴でした。
【写真2】右前ポケットの直接肌に当たる部分です。こちらは1か所のみですが、ポケットの上からも下からも真ん中ら辺に位置しています。左ポケットよりも穴は大きめで、縦2.5センチ・幅1.3センチほどです。
【写真3】右前ポケットの直接肌に当たらず隠れる部分です。今回一番大きな穴は縦5センチ・幅6ミリ〜1センチほどでした。確実に物が落ちてしまうくらいの穴です。もう1つの小さい方は縦1.5センチ・幅1.6センチほどでした。
年季が入ってますね。綺麗にしてあげたいと思います。
穴が空いた主な原因
ポケットに穴が空く主な原因を考えてみました。思い当たるのはこの3つです。
と言うわけで今回は、夫がヘビーローテーションしていた、お気に入りのジーンズのポケットに空いてしまった穴を繕いたいと思います。
ポケットの穴の概要と着用する人の要望
穴が空いた場所・大きさ・素材・用途を調べてみよう
私は洋裁の勉強をしていた時、たくさんのポケットの作り方は教わったのですが、ポケットの修理をした事がありません。
調べてみると、穴の空いた場所や大きさ、素材や用途によってどうやって直すかを決めた方が良さそうです。
着用する人からの要望を聞こう
実際にこの服を着る人(夫)からの要望を聞いてみましょう。
今回直す服はカジュアル服なので、私も気が楽です。
これがスーツなどのフォーマル服だったとしたら少し構えていた事でしょう。またはどこかのお店に頼むかも。
あまり難しく考えず修理してみようと思います。
底に空いた穴の修理(左前ポケット)
右のポケットより難易度が低そうなので、まずはこちらの左前ポケットから直したいと思います。
写真は左前ポケットです。底に集中して2か所に穴があります。
穴はどちらも5ミリ程ですが、よく見るとその周辺にもダメージがあります。
穴の周辺以外はダメージもなく、生地もしっかりしているようです。
それでは実際にポケットを補修していきたいと思います。
おすすめの毛玉取り
修理に入る前に毛玉が気になるので、毛玉の処理をしたいと思います。
写真は私が普段使用しているおすすめの毛玉取り器です。
カゴに入れて大事に使っています。
私は毛玉取りを2台愛用しています。
【写真左】白と水色のツートンカラー。
[メーカー]TESCOM(テスコム) [型番]KD556 [商品名]KEDAMA Cleaner(毛玉クリーナー)
私が使用している物は乾電池式LR6×2(単三アルカリ乾電池2個)です。時々交換の必要はありますが、パワーが強いのでよく使用します。特に範囲が広いものや普段着にはこちらの方がはかどって使い心地が良いです。
3段階の長さ調節も付いていて便利です。
こちらは何年か前に家の不用品を売りに行った時、査定してもらっている間に見つけてしまった毛玉取りです。買い取って頂いた物で得たお金でそのまま購入しました。
箱は潰れていましたが、中身は糸くずも無ければ使用感も無い、中古屋さんで得た新品です。1,000円前後で手に入れたと思います。
元々は百均などの毛玉取りを使用していました。引っかかるとすぐに壊れて動かなくなってしまった事が2回ほどあったんですね。
欲しいと思っていたとは言え、ほぼ衝動買いに近かったので、購入直後は「やってしまった〜」と後悔もありましたが、今となっては大活躍してくれて助かっています。
お下がりの服を蘇らせる事が主な使用用途です。
新しい型番はACアダプターが付いているので、どうやら電池交換が必要ない様です。私の愛用品の乾電池式でさえパワーがあるので期待できますね。
価格:2979円 |
【写真右】ボルドーと黒のツートンカラー。
[メーカー]T-fal(ティファール) [型番]JB1012JO [商品名]毛玉クリーナー
こちらもアルカリ乾電池式。単三2本を使用します。テスコムと違うところは音がテスコムよりも小さめ。そしてカットが優しい点です。テスコムよりはパワーが劣るかなと思います。(わたしの主観ですが。)
私はティファールの毛玉クリーナーは、デリケートな服やフォーマルな物に使用する事が多いです。
長さ調節はH IGHからLOWで調節します。
私はT-falの毛玉クリーナーは時間がある時に使用しています。パワーが無い分ゆっくりになってしまうからですが、その分安心感があります。
こちらは伯父の形見です。大事に使っています。
ティファール 毛玉クリーナー ボルドー JB1012J0(1台)【ティファール(T-fal)】 価格:2068円 |
どちらの毛玉取り器もゴミ捨てや、お手入れは簡単です。お手入れの際は手を切らない様に気をつけましょう。
#1 【時短】折り返して四角く縫う方法
まず最初に、生地を切らずに短時間で直す方法です。
動画や写真で解説します。動画は音を消しています。
音が苦手な方も安心してご覧ください。
- 穴の場所の確認。
- 折ってみて厚みがどれくらいか確認する。
- 折ったときに穴がふさがっているか確認する。
- 折り返したところを四角く縫う。(ミシン、手縫いどちらでも大丈夫。)
#2 カットして元通りに縫い合わせる方法
次に、穴の上でカットしてから縫って修理する方法です。私はこちらの方法で修理します。
生地を切ってしまう分、ポケットの深さが浅くなりますが、本人の了承を得ているので切って直します。
#1の折り返して四角く縫う方法もポケットの深さは浅くなりますが、こちらは切ってしまうと元に戻す事が出来なくなるので、よく考えて決めましょう。
動画や写真で解説します。動画は音を消しています。
音が苦手な方も安心してご覧ください。
- 折り返し部分の厚みを確認する。
- どれくらい生地を切る必要があるか確認する。(この時点ではまだ切りません。)
- 生地を切る予定の線より少し上までリッパーで糸をほどく。
- ポケットの中に手を入れて、ポケットを裏返す。
- 裏返したら角を出して綺麗に広げる。
- ポケットの折り目にあわせて平らに置く。
- 穴よりも上に線を引く。(できあがり線)
- 線の通りに縫う。
- 縫ったところから5ミリ下(外側)に線を引く。(カットする線)
- 線の通りにカットする。
- ポケットを中に戻す。(表に返す)
- 表に返したらアイロンをかける。
- ほどいた所も縫い目が重なる様に、端から5ミリを縫う。
これで1つ目の左前ポケットの底に空いた穴の修理は完成です。
私は初めてのポケット修理でしたが、意外と簡単に直すことができました。私が着るわけではないのですが、何よりも元の形に戻せたのが嬉しかったです。
中途半端な位置に空いた穴の修理(右前ポケット)
続いて右ポケットの修理に進みます。
こちらがこれから修理する右ポケットの写真です。
最初に直した左ポケットは同じ場所に空いていた穴なので、同時に2つ直す事が出来ました。しかし、右ポケットはそれぞれ穴の大きさや場所が違います。
写真左:上からも下からもちょうど真ん中あたり、肌に触れる面に穴が空いています。縦2.5㎝・幅1.3㎝。
写真真ん中:これが一番大きな穴です。縦に5㎝・幅は狭い所で6㎜、広い所で1㎝。
写真右:左ポケットと同じように底に空いた穴です。縦1.5㎝・幅1.6㎝。
写真左の、上下中央の位置に空いた穴の上から、生地を大きくカットしてしまうと、ズボンの脇の修復もしないといけなくなるので、こちらは接着芯や端切れを使って直そうと思います。
端切れを使う時の注意点
私は今回初めてポケットを修理しているのですが、右ポケットの修理に入る前に、私がリサーチする前にやろうとしていた事を紹介します。
布を使って服や雑貨を作っていると、端切れ(ハギレ)が出てくると思います。私は布が好きなので、小さくなった端切れもたたんで小さい箱にしまっています。
その中に今回修理している素材と同じ様なデニムの端切れがあったので、最初はそのデニムの端切れを使ってポケットを修理しようとしました。
そうすると、端切れと一緒にポケットを折り込むことで全部の穴をカバー出来たので、これで良いじゃん!と思いました。
しかし、色々調べていると、デニム生地の端切れを使うデメリットが見えてきました。
どうやって処理しよう。
恐らくポケットと同じぐらいの薄さなら、先ほどのデニム生地の端切れをあてた写真の様にして縫っても、一気に全てをカバーして縫えるんじゃないかなと思います。
多少の形の変更は否めないですが。(今回は省きます)
#3 接着芯を使ってポケットの穴をふさぐ方法
デニムの端切れでは厚くなり過ぎて、デメリットが多くなることに気がつきました。この方法では中途半端に終わってしまうと思ったので、一気に全部治すのではなく、部分的に処理することにしてみました。
まずは、肌に触れる面の、上下中央の位置に空いた穴から直していきたいと思います。
先ほどのように端切れで直す方法もありますが、接着芯だとアイロンで貼り付けることができ、ズレにくいので中途半端な位置に空いた穴に適しているんじゃないかなと思ったので、接着芯で直してみようと思います。
写真は私が今持っている接着芯の写真です。
左と真ん中は不織布タイプ。
真ん中はだいぶ前に購入したDAISO商品です。練習用やお試しに使用しています。
右は織物タイプの接着芯です。上が黒、下が白です。
今回はジーンズのポケットなので、洗濯にも適している織物タイプの接着芯を使用します。
接着芯を使ったことがなくても大丈夫!
動画や写真で分かりやすいように説明しています。
※一部、音が出ます。
- 穴やダメージの確認。
- ポケット底の糸を、必要な分だけほどく。
- ほどいたらポケットに手を入れてひっくり返す。
- ひっくり返したら、表の時と同じくらい糸をほどく。
- ほどいたら表に返す。
- 接着芯の準備をする。接着芯は穴より大きくカットし、角を丸くする。
- 穴を塞ぐための端切れなどを準備する。準備した接着芯よりも小さく、穴よりも大きい物。
- ポケットをひっくり返して、ポケットの裏側を出す。
- 穴に先ほど切った端切れを当てる。
- 次に接着芯の糊面を布に貼る様にのせる。サラサラの面が自分に見えていればOK。
- 当て布を当てる。(私はクッキングシートを使用。)
- 体重をかけて、一回10秒ほどアイロンをかける。(中温・ドライ)
- 少しづつ動かしてしっかり接着芯を貼る。
- ポケットを表に戻し、隙間があいていないか確認する。
- 穴の周りを2周縫う。
- 穴の周りを縫ったら、ポケットを裏に返す。
- 接着芯の上から何度も返し縫いをしながら、ミリ単位で細かくジグザグに縫っていく。
これで右前ポケットの中途半端な位置に空いた穴の修理が終わりました。
これはたたき(ミシン打ち)と言う技法だそうです。
私の施したものはたたきのうちに入らないかもですが汗
それでもこの時は、「できたー!」という達成感がありました。
本当はもっと細かく、同じ感覚でまっすぐ縫うと、見た目も綺麗で丈夫になるそうですよ。
私は初めてのポケット修理で、初めてのたたきに挑戦してみました。
感想は、「難しくて、楽しかったです。」
皆さんもぜひ挑戦してみて下さい。
裏の角に大きく空いた縦型の穴の修理(右前ポケット)
それでは最後に、指が3本も入ってしまう縦型の穴と、底に空いた穴を直して終わりにしたいと思います。
やり方は同じく、接着芯とたたきでいきたいと思います。
#4 接着芯を使ってポケットの穴をふさぐ方法【応用編】二つの穴を同時にふさぐ方法
こちらは接着芯を使ってポケットの穴をふさぐ方法【応用編】という事で、二つの穴を同時にふさぐ方法を紹介したいと思います。
Kioriさんによる#4 裏の角に大きく空いた縦型の穴の修理(右前ポケット)- 穴の場所の確認をする。
- 穴より大きく、接着芯より小さい端切れを準備する。
- 接着芯を準備する。今回は2つの穴を同時に直すので、2箇所が充分に塞がる様な大きさにする。
- 端切れを当てて、穴がきちんと塞がっているか確認する。
- その上に接着芯をのせる。接着芯は、ザラザラの糊面を布側に、サラサラの表面を自分に見える様にのせる。
- 当て布を当てて、アイロンをかける。
- ポケットを表に返して、穴の周りを2周縫う。
- ポケットを裏に返して、接着芯をミシンで何度も返し縫いをしながら細かくまっすぐ縫っていく。(たたき/ミシン打ち)
- ポケットを元に戻す為に、ポケットの縫い代を縫う。
- ポケットを表に返す。
- アイロンをかけて生地を落ち着かせる。
- 最初にほどいたところを、ほどいたところの縫い目に重なる様に縫っていく。
- 余計な糸を切る。
接着芯を使ってポケットの穴をふさぐ方法【応用編】という事で、二つの穴を同時にふさぐ方法を紹介しました。
私は「とりあえず直したい」という事で、自分ができそうな方法を探してきてやってみました。
しかし、ジーンズは重たく、ポケットは小さく、縫いづらいです。
私は修理しているときは、接着芯が剥がれない様におさえておけば良いのかな?ぐらいの感じで縫っていました。
そして自分なりにやり切って満足していたのですが、記事を書く為に色々調べていると、どうやらそうでもない様です。
感覚を同じく、2ミリ前後くらいで、細かく真っ直ぐ、グネグネしない様に縫っていくと、仕上がりも綺麗で丈夫になるそうです。(色々調べて自分なりに要約してみました)
穴が空くということは、それなりに生地も弱くなっているんだよと教えて頂きました。
お手本が見たい!という方はこちらの記事が参考になりますよ
私はこちらのお店の動画を拝見しながら修理してみました。プロの技って本当にすごいです!
そして自分なりに直してみてから出会った記事がこちら。こちらもカッコいいです!
まとめ
この記事では、実際に自分が初めて直してみたジーンズの前ポケットの修理方法を紹介してみました。
今回のポイントをまとめますと、次のとおりです。
一度始めたら元に戻せないと思っていた方も、これなら出来そうと思っていただけたのではないでしょうか。
ポケットの修理方法はこの他にもたくさんあります。
自分に出来そうなところから始めると、思っていたよりも楽しく修理ができます。ぜひ自分のお気に入りのパンツのポケットの修理に役立てて下さい。
最後までお読みただきありがとうございました。
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